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どこでもコンピュータへの道 |
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これがいかに私たちの社会に対して大きな影響を与えるか、どういうことに使えるかというのは一目瞭然でして、私はよく言っているのですが、このコンテクスト・アウェアネスというのは状況を認識するということです。状況を認識するって言うのは三個しかありません。この空間での状況と言ったら、人間がいつ、どこに、誰がいるのか、どういう人かという情報、それから二番目が「モノ」です。この空間にあるモノ。たとえばこの薬はなんなんだ、このボトルはなんなんだ、これはなんだ、というものですね。それからもう一つがこの空間の状況。たとえば電気が今ついていますよね、光の状況、風の状況、においとか、そういうことですね。この三つがわかったらこの空間が全部わかったとことになりますから、それをコンピュータにわからせていろいろなことをやろうっていう、そういう分野が一言で言えばユビキタス・コンピューティングという世界です。
具体的にどんなことができるかということで、最近テレビとかラジオ、新聞など、いろんなところで紹介しています。この装置は私の研究室で作ったユビキタス・コミュニケータといっているものですが、この小さなチップに対して電波を出してエネルギーを与えます。それにより、この中のチップの内容、記憶素子の内容を読むことができます。
使い方はきわめて簡単でここに近づけてくると、今ピンって言いましたが、(コンピュータの音声:風邪薬です。他の薬があれば選んでください。)こういうふうになるわけです。風邪薬だから一緒に服用したい薬があったら選んでくれと。ですから、ここに鼻炎薬、見なくても大丈夫です。ただ近づけるだけでこれはこう反応するわけです。(コンピュータの音声:鼻炎薬です。この薬は一緒に服用しないでください。)鼻炎薬はこれと一緒に服用しないほうがいいとのことなので、たとえばこういう薬があると(コンピュータの音声:胃腸薬です。この薬は一緒に服用しても安全です。)この薬の場合はこういうことが出てくるわけですね。(コンピュータの音声:頭痛薬です。この薬は使用期限が過ぎています。)
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