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加藤郁之進


タカラバイオ株式会社
加藤 郁之進



世界に羽ばたけ日本のバイオ

  IT関係の方が多いようですが、最近、三菱重工と当社がアレルゲン分解型フィルターというのを共同で開発いたしました。これは何かといいますと、我々がもっていた特別なタンパク質分解酵素を、三菱重工がフィルターにつけまして、アレルゲンであるダニや花粉を分解できないかという研究を行い、製品化にこぎつけました。今後、三菱重工は業務機用エアコン、自動車エアコンに採用するとのことで、今、一生懸命製造されております。

  数年来、DNAチップが非常に騒がれましたが、我々は、このDNAマイクロビーズにより注力しています。DNAマイクロビーズアレイの何がすごいかといいますと、100万個のDNA配列を一挙に決めることができますので、ある細胞が発現しているメッセンジャーRNAを全て一網打尽に解析し、どの遺伝子が動いてるかがわかります。こういう小さなビーズにDNAの断片をつけておきまして、ここでクローニングします。この技術は非常に綿密に、丁寧に考えられ、15、6年かかって、実用化された技術です。
  アメリカ人はそこまでねばり強いのだなという見本です。これはシドニー・ブレンナー博士、一昨年、ノーベル生理学・医学賞もらった方ですが、彼が発想してつくらせた技術です。
  このように、今この視野には25万個のDNAビーズがありますが、各々1点1点の20塩基の配列が決まります。つまり、この方法を適用しますと、がん細胞が正常細胞とどんな違う遺伝子を発現しているのかというのが即わかります。しかも、このCCDカメラで、反応しては写真を撮って解析していくだけで、味噌は、ここのビーズに付いているDNA断片の配列と組み合わせだけなのですね。
  このMPSSを使いますと、先ほど申し上げたSNPの探索が非常に簡単に行えます。非常に簡単に行えるイコール、たとえば、東京全員のSNP解析を行うことは可能なのですね。この方法では、SNPの探索とタイピングの両方ができます。

  最後にぜひIT系の皆さんにご援助をお願いしたいのですが、このマイクロビーズアレイ技術をアメリカが、遺伝子発現の最終的な武器だと認識しておりまして、ISB(インスティテュート・オブ・システムズ・バイオロジー)というシアトルににあるノンプロフィットの研究機関ですが、アメリカ政府が毎年200億円注入しています。ISBのリー・フード博士が今プロジェクトに上げておりますのは免疫系の全面理解という、すごいプロジェクトを進めています。このプロジェクトでリンクス社は、IBMと組むことを宣言しました。
  このように、今後いよいよITとBTの接合がほうぼうで起こり始めると思います。我々は今日の坂村先生みたいな明快なお話は、すぐわかりますが、マイクロビーズアレイ技術のように非常にたくさんのデータをどう処理して、どうやっていくのかというのはまったく無力でございまして、どうしても、IT関係の方のご助力が必要だと考えております。いろいろ申し上げましたが、どうもご清聴ありがとうございました。



司会:
  加藤先生、ありがとうございました。

  今日、1時からずっと3人の講師のお方のすばらしいお話をお伺いできました。  武田計測先端知財団、あるいは武田賞は一貫して研究者のコミュニティの外の一般社会での価値というのを常に重視しております。けれども同時に、今日のお三方のお話を通じて、研究者のコミュニティといいますか、学問が生み出す知と、それから研究者の外の一般社会の中で生まれている価値というのが、それが非常に関係があり、そこの、相互に刺激しあうといったようなあたりが非常に重要なのかなということがお三人のお話を聞いたうえでの共通の、私自身の印象です。

  こんな私自身の印象を最後に結びの言葉とさせていただいて、今日ずっと長い時間、フロアからも熱心なご討論に参加していただきまして、ありがとうございました。
  これで今日の武田シンポジウムを閉じさせていただきます。ありがとうございました。




Last modified 2004.3.1 Copyright(c)2002 The Takeda Foundation. The Official Web Site of The Takeda Foundation.