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加藤郁之進


タカラバイオ株式会社
加藤 郁之進



世界に羽ばたけ日本のバイオ

  レトロネクチン法の開発は、インディアナ大学小児科のドクター・ウィリアムズと共同で行いました。彼はレトロネクチン法を当社と共同で開発した後、非常に有名になりましたが、今はシンシナティで遺伝子治療を行っています。

  世界で最初に遺伝子治療に成功したのはこのフランスの先生で、11例やられて、2例だけ、白血病が起こりました。ですが、9名の方はみんな治りましたし、2例の方も白血病の治療を受けて生存されておられます。

  このように遺伝子治療で必ず問題になりますのは、リスクとベネフィットのバランスでして、もし放っておけば十中八九お亡くなりになるのを治療できる技術です。遺伝子治療が無謀だといわれる方がたくさんおられるのですが、放っておけば亡くなられる方をどうするのかということに答えておられません。一度、遺伝子治療の安全性について、議論が交わされましたが、世界中が平静に戻りまして、やはり遺伝子治療はキープゴーイングで、今世界中でまた活気を取り戻しつつあります。

  このフランスで成功した例について、ご説明します。造血幹細胞が免疫細胞に分化するにはインターロイキンというタンパク質の刺激が必要です。この刺激を受け取る受容体の遺伝子がおかしい方は信号が入りませんので、大事な免疫細胞ができません。その結果、普通の空気を吸っても病気になってしまうという特有の現象で、早く亡くなられます。フランスのグループが遺伝子治療を行ったのは、この免疫不全症の患者さんが対象です。

  これは、英国BBCが大々的に放送したので有名なケースですが、同じ免疫不全症を対象とした遺伝子治療を受けた患者さんです。(図省略)普通、患者さんの顔は見せないのですが、この場合は見せています。つまり見せますと、その家系にはその遺伝子疾患があるということがわかってしまいます。これがイギリスの遺伝子治療を行った先生です。これが患者さんのお母さんで、彼のお母さんがどうしてもテレビに出たい、なぜならば自分の息子が、空気が遮断されたような特殊な部屋で一生を送らないといけないと思っていたのに、遺伝子治療を受けたおかげで、今は遊園地で遊べるので、この治療法をどんどんやってほしいということを言うために出ておられます。

[図24]
  もう一つ、身近な生活と関係のある、がん免疫療法、これはお聞きになったことがあると思うのですが、がんが日本一位の死因でありながら、医師もいろんな治療をやっておられますが、やはり大抵の場合は抗がん剤や放射線治療です。抗がん剤はご存知の通り、両刃の剣でして、正常細胞も殺してしまいますので副作用が大変です。それで、クオリティオブライフの向上と治療効果を期待できるのがこのがん免疫療法です。

[図25]、[図26]
  我々は、東京の新宿に水町重範先生と一緒にミズマチ・タカラバイオという会社を設立し、現在、活性化リンパ球療法を開始しておりますが、目下9名治療したところです。活性化リンパ球療法は、免疫能力がかなり落ちているがん患者さんの細胞を、血液から採取し増やして免疫機能を回復させ、再び患者さんに戻します。つまり本来健康なときは、自分の細胞ががん細胞を攻撃しているのですが、病気になるとそれがだめになるので、これを助けようということです。我々は今後、他の地域でも医師と共同で、がん免疫療法を行うクリニックを立ち上げたいと考えています。

[図27]、[図28]
  この方法は、NIHにおられますローゼンバーグ博士が開発し、一時期これで、やっとがんも終ったかと言われたころもありましたが、今は逆に、なぜローゼンバーグの方法をまた行うのかと言われます。しかしそうではございませんで、免疫に関する研究や細胞加工処理技術が進歩いたしまして、この方法はやはり正しいと考えられ、世界中で注目を浴びております。









































[図24]


[図25]


[図26]


[図27]


[図28]


Last modified 2004.3.1 Copyright(c)2002 The Takeda Foundation. The Official Web Site of The Takeda Foundation.