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加藤郁之進


タカラバイオ株式会社
加藤 郁之進



世界に羽ばたけ日本のバイオ

[図41]
  我々が注力している分野に、バイオ医食品分野があります。「抗がん剤畑」という言葉は私が発明したのですけれども、アメリカのシアトルに文字通り抗がん剤があります。それは有名なタキソールという抗がん剤。ここに化学構造は書いておりませんが、非常に複雑な化学構造をしていまして、純化学合成では非常に生産コストが高くつくので、この植物からタキソールを抽出して、加工するという手段をとっておられます。

[図42]、[図43]、[図44]
  我々は素直にアジア型の健康食品に目をつけました。中国の古い書籍にも昆布ががんに効くとありましたので、本気でやり始めましたら、フコイダンは非常にがんに効くのですね。フコイダンに関する研究を進めていったところ、フコイダンのなかにF、G、U、というフコイダンがあるということを見つけ、当社が化学構造を決定いたしました。その一例がこういうものですが、こういうものは順次医薬品にしていくつもりですが、まずは医食品として食べてもらおうということでやっています。

[図45]、[図46]
  たとえば、動物実験の例をお示ししますと、フコイダンは特に肝臓に効きまして、これは注射ではなくて、経口投与ですが、肝硬変を見事に止めるのですね。それからもう一つ、フコイダンにより、インターフェロンγ、インターロイキン12、つまりがんに効くというこの黄金カードが体内で誘導されます。ただし、純粋に健康な方は出てまいりません。がんの場合はこれらが誘導されます。ですから非常にいいのですね。

[図47]
  もう一つ、我々が注力しておりますのはアシタバで、これは、八丈島周辺のアシタバですね。ですが、アシタバが実はソウルに渡来しまして、ソウルではこれをあの寒い中、温室でたくさんつくっています。なにか健康にいいと聞き、我々はすぐにアシタバ成分の研究を始めました。

[図48]
  話しが少し飛びますが、東京の八重洲の地下街で"アシタ・バー"というのを始めております。我々は、アシタバを老人のために開発してるつもりなのですが、なぜか知らないけど若い女性がアシタ・バーによく来るのですね。

[図49]
  理由は、アシタバに含まれる成分が、セルライトを除去してくれるそうです。なぜ先ほどアシタバを老人向けにといったかといいますと、アシタバに含まれる成分にNerve Growth Factor(NGF)というものを誘導する能力がすごくあるからです。ですから、アルツハイマー病とか、いろいろな神経症に効果があると考えられるのですね。八丈島ではアシタバを一生懸命お売りになっていますが、当社は鹿児島県の南のほうで大量に生産しています。鹿児島は焼酎の酒飲みが多いところで、彼らは二日酔いに効くとか言って、結局、鹿児島県自身が黒豚、お茶をメインに、後から追いついて勝ったように、このアシタバを鹿児島の名産にしたいと、張り切っておられます。

[図50]
  これはアシタバ抽出物の生理活性のデータですが、この真ん中の、この赤い字で書いてあるのがそのクロマンで、非常にNGF,神経成長因子を誘導する能力をもっており、特許出願中です。

[図51]
  明日葉の別の生理活性として、抗糖尿病作用があげられます。つまり明日葉に含まれる成分が、前駆脂肪細胞を脂肪細胞型へ分化誘導し、その結果血中のグルコース取り込みを促進するといったデータが得られています。


[図41]


[図42]


[図43]


[図44]


[図45]


[図46]


[図47]


[図48]


[図49]


[図50]


[図51]


Last modified 2004.3.1 Copyright(c)2002 The Takeda Foundation. The Official Web Site of The Takeda Foundation.