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加藤郁之進


タカラバイオ株式会社
加藤 郁之進



世界に羽ばたけ日本のバイオ

[図29]
  これは我々が販売しております血液細胞の回収や洗浄を行う装置で、タカラバイオが販売しております。

[図30]、[図31]
  活性化リンパ球療法というのは、患者さんの細胞を増殖・活性化し、この装置で洗浄して患者さんに戻します。この治療を2週間間隔で6回程度行います。活性化リンパ球療法について、我々は大発見したつもりでいますが、先ほど申し上げましたこのヒトフィブロネクチンフラグメント、これが非常に働き者でして、これを敷いておきますと、患者さんのリンパ球を数万倍に増やせることを発見いたしました。
  つまりこの端のマイナスと書いてあるのは何もない場合ですが、組換えフィブロネクチンを敷いておいてやりますと大量拡大培養が一挙に進みます。

[図32]、[図33]
  当社はイタリアのMolMed社と提携し、遺伝子治療の治験を進めていますが、これもがんの治療で、自殺遺伝子を用いた白血病などの造血器腫瘍を対象とした遺伝子治療です。これは何かといいますと、血液細胞のがんである白血病を対象とした遺伝子治療で、白血病でお亡くなりになる方は非常に世界中で多いです。ところが依然として抗がん剤治療しかないという状況が続いております。
  この遺伝子治療は、MolMed社がヨーロッパで臨床試験を進めており、現在フェーズT/Uです。過去、経験的に知られていたのが、他人のリンパ球を投与すればがんを攻撃できるという、経験的な発見です。この方法を使えば、確かに白血病に対する治療効果はあるのですが、一つ問題がございまして、その白血球が問題のがん細胞だけをやっつけているうちはよいのですが、患者さんの正常な体自身も攻撃する場合があります。
  この場合はもう止めようがありませんので、このような危ない技術は使えないといわれてきたのですが、ここである頭のいい人が自殺遺伝子を用いるということを考え付きました。このチミジンカイネースをドナーリンパ球に導入しておくと、もし暴走を始めたとき、ガンシクロビルを与えてやるだけでこの遺伝子の入った細胞はみな死んでしまいます。ですから、暴走が始まればガンシクロビルを与えて副作用を止めることができるという新しい方法が開発されました。


[図29]


[図30]


[図31]


[図32]


[図33]


Last modified 2004.3.1 Copyright(c)2002 The Takeda Foundation. The Official Web Site of The Takeda Foundation.