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トヨタ自動車(株) バイオ・緑化事業部部長
築島 幸三郎 |
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トヨタは、なぜバイオテクノロジーに取り組むのか |
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バイオ関連の新規事業
[図6]
こうした中で、私どもはいろんな事をやってまいりました。すでに事業化しているものもあります。一つは食糧問題をにらみまして、サツマイモから飼料をつくろうと、とくに飼料が食糧問題の中でも先に台頭してくるのではないかと思っています。2001年4月にインドネシアに会社を設立いたしまして、2003年5月から操業開始しております。またサトウキビからバイオプラスチック、ポリ乳酸をつくろうと、昨年、実証プラントが完成して、今年から本格稼働させる段階にきています。アジアでタイとかベトナムに輸出力がなくなるだろうということで、ハイブリッドライスの開発を進めてきましたけれども、これにはなかなか世界的にもお米の価格が下がってきているので事業を行うという事では中断をしている。
その他にオーストラリアと中国では植林をやっている。オーストラリアでは純然と事業でやっておりまして、98年8月に現地で会社をつくり、現在までに1,748ヘクタールですね。これは当初よりオーストラリアでは降雨量が少ないということで生長量が少し落ちていますが、事業としては割合よい事業になっていると思います。中国での砂漠緑化植林ですが、収益をあげようというものではなく自動車事業の後方支援ということでトップの指示で始めたものです。今中国でも大変モータリゼーションが進んでいますが、はじめ誘致を受けたのですが、アメリカでの事業展開の事もあってそれが整ってからということにしましたら、今度はなかなか受け入れてもらえなかった、社会貢献をしてからということで、それでそれまで培ってきた植林技術を持ち込んで貢献することで、それで認められてきたという状況なのです。
食糧物流は、自動車事業も関係が深いので食糧問題解決へ貢献できることで、温度管理物流、三井物産さんといろいろと検討したのですが、なかなか難しく断念しています。
その他に花の事業ですね、あとから立案した事業なのですが、青森県の六ヶ所村に社有地があります。それを有効活用しようという案がありまして、市場からは遠いのですが、現地で大規模工場生産方式で花をつくるという会社を立ち上げまして、当初は社内でも反対があったのですが、順調にのびてきています。いろんな品種も独自に開発して販売しております。
他には、中国産の泥炭ですね、1万年ぐらい堆積してできた中国産の泥炭は、保水性に富み、腐植酸が多くて、植物の生長にいいということで環境の厳しい屋上の緑化で、特にヒートアイランド現象を防止したいということで、それに貢献できるという事で、日本では屋上緑化の会社をつくろうと。中近東では節水型農業ができないかということでいろいろチャレンジしまして、2001年の12月に日本で屋上緑化の会社をつくり、2002年6月に中国に泥炭採掘会社をつくった。中近東では高い資材なものですから、これを使っての農業はまだまだ難しいということで中断しているのが実態です。
[図7]
集約すると、トヨタは国内外で数千社ぐらい子会社があると思うのですが、バイオの関係では5社、子会社ができてきたというところです。オーストラリアの植林会社、青森県の花の会社、インドネシアのサツマイモの会社、愛知県の屋上緑化の会社、中国での泥炭採掘会社です。だいたい相当の人数に拡大してきています。売り上げは2004年度でやっと10億円強というところで、これから飛躍的に伸ばそうというと野心を持っております。次に、写真等を見て頂きながらご理解頂ければと思います。
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[図6]
[図7]
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