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講師: 斎藤成也(さいとう・なるや)、
ゲスト講師: 佐々木閑(ささき・しずか)
日時: 2006年4月22日 |
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あなたはどこからきたか −日本人のDNA− |
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三井: ありがとうございます。お言葉ではございますが、私が適当に振らせて頂きますので、よろしくお願いします。
何か、サイエンスカフェの本当のところをお話して下さったような気がします。つまり、科学だとか人文だとかの枠を超えて話し合うことが、
本質を分かる一番良い方法だと言って下さったのは、正にサイエンスカフェの精神そのものだと思います。
では皆さん、今日は非常にラッキーな場所にいらっしゃると思って、何でも発言して頂きたいと思います。
>> こういう機会に恵まれて、本当にありがたいなと思っています。内容を見ますと、
非常に難しそうなんで心配しとりましたが、リラックスしてお話が聞けるということで、安心しました。
ところで、先生方は、人類だけでなく、山であるとか、地質であるとか、いろんなものに興味を持たれたようですが、
自分の職業として科学に取り組まれたからには、何かもっと奥深いものがあるんでないかなと思います。
私は、一サラリーマンですので、科学に突き進んでいる先生方を羨ましいと思うんですね。
斎藤: 私は今、国立遺伝学研究所というところにいます。
この研究所は法人化されたんですけども、事実上は文部科学省の支配下にあって、ほとんどの研究は税金でやらせて頂いています。私の給料も税金です。
毎日、自分が好きなことをやっていて、いつの間にか銀行口座にお金が振り込まれている。
私としては、遊んでいて、何でお金が入るのか不思議だなぁという、ある意味では、幸福な状況なんですが、なぜそういうふうになったかというのは、
先程、「モラトリアム人間」と言いましたけれど、要するに、フラフラしながら、その間に、それなりの論文を書いたりしていたら、
たまたまチャンスがあったということで、そんなに深刻ではありません。すみません。
三井: この問題について、やはり佐々木さんにも。
佐々木: 僕は、いい。
三井: 今日は、今までのカフェでは見られなかった年齢層の方が来ていらっしゃいますので、
是非、お話を聞かせて頂きたいと思うんですが、いきなり、高校生というのでは、ちょっと気の毒かなと思うので、
大学生くらいのところからいきたいんですけど、どうでしょう。
>> DNAって、同じ祖先から生まれたって聞くんですけど、
黒人とか白人とか黄色人種とかの違いがでるDNAは発見されているんですか。
斎藤: DNAが同じところから来たのは、先ず間違いないですね。見たことはないですが、もう、
いろいろな状況からも明らかです。今仰ったのは皮膚の色ですね。皮膚の色を決める遺伝子は、今、世界各国で研究が進んでいますが、
まだ決まっていません。皮膚が白っぽくなる「白子」というのをご存知ですか。あれは「アルビノ」というんですが、
黒っぽくなるものを作り出す酵素が駄目になってしまうんですね。それは分かっているんですが、黒人と白人の間には、中間色でいろんな人がいますから、
そういう場合は難しいんですよ。まだ分かっていませんが、いずれ分かると思います。
三井: 今日の題は「日本人のDNA」ということなんですけども、斎藤さんは、DNAを見て、
これが日本人のDNAだと言い切れるものはありますか。つまり、日本人のDNAに、他の人種とは違った特徴があるかということですが。
斎藤: 部分的には可能です。私は直接関係していないのですが、法医学という分野がありますね。
残念ながら、外国人の犯罪が増えているので、何とか外国人を特定したいという警察の方の思いがありまして、DNAから、
どこの国の人かというのを探ることは、いっぱいやられています。日本人の中にしか見られない特定の型というのは、確かに探ることができます。
そうすると、それをもっていれば、たぶん日本人だろうということは言えます。しかし、日本人も中国人も非常に近いので、
どちらももっている場合があります。ラッキーだったら、この人間のDNAは、これまで調べたDNAの中では、日本人にしか見つかっていない型と同じだから、
たぶん日本人だろうと、あるいは、違うから中国人だろうということは言えますが、そうでない場合も多いです。
三井: 先程予告したお団子と田楽が来てしまいましたので、ここで少し休憩します。向こうのテーブルに、お団子と田楽、
それにコーヒーが来ていますので、召し上がって下さい。そのときに、近くにお座りになった方同士で、いろいろお話しなさって仲良くなって下さい。
そうすると、後で発言なさるのが少し気楽になると思います。
(休憩)
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