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岡本謙一 |
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[図 22]
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[図 23]
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[図 24]
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[図 25]
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[図 26]
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[図 27]
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[図 28]
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[図 29]
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[図 30]
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[図22]
これは観測結果の一例ですが、台風の映像で、雲の下にある雨の分布が非常によくわかります。台風の目も非常によく出ています。
[図23]
これは、日本列島を縦断した1500 kmくらいの長さの、南岸低気圧と呼ばれております、冬場に発達する気象システムのエコーです。西日本が雨ですが、東日本は雪です。この様なエコーを捕えることにも成功しています。
[図24]
時間がないので、簡単に通過しますが、これは韓国南部の集中豪雨でありまして、これは、韓国におけるTRMMの映像です。1998年の7月は、エルニーニョが終わった直後ですが、この年はまだエルニーニョの影響が残っておりまして、揚子江の洪水とか、日本の新潟の大雨とか、韓国でも史上最高の雨が降りました。このときに、数十mm の雨が観測され、特に韓国南部全羅南道の順天地区で128 mmという雨が観測されているのですが、高度14 kmくらいのところまで雨が伸びています。こういうふうなことも観測することができています。
[図25]
これは、先ほどの、畚野さんのOHPにもありましたが、エルニーニョの時と、通常の時(若干ラニーニョ気味でもあるわけですが)、の降雨パターンの違いを示しています。エルニーニョの時には、どうも中部太平洋あたりに強く雨が降っていて、正常な時の日本の真南あたりのところの雨が強い状態とは変わっているというパターンが、非常によくTRMMのレーダによって観測されています。
[図26]
次に、 三次元の動画をご紹介します。これはNASAが編集したものですが、台風スーザンの中を降雨レーダが通って行って、スーザンの中の雲の下の雨の分布を取ることができたという、三次元的なストラクチャの例です。日本では、こういう動画の作成が遅れていますが、アメリカ側は進んでいます。
[図27]
次に、これは、ハリケーン、フロイドの動画です。このハリケーン、フロイドの雲の分布の中を降雨レーダが動いていきますと、中の雨の分布を立体的にも、定量的にも測ることができるという動画です。このように、降雨レーダは世界で初めてのものでありましたが、設計通りの性能を発揮して、雨の分布を捕えて、いろいろな広域な気象システムに関する多くの情報を得ることができたわけです。
[図28]
これもムービーで、一カ月毎の雨の変化が出てきます。これが、97年12月ですから、エルニーニョの真っ最中ですが、一カ月毎に雨が変わってきて、98年6月ごろにエルニーニョが終わって、以後ラニーニョになったことがよくわかります。一カ月毎の連続パターンです。こういうふうに雨の、毎月の変化のパターンをレーダで得ることができます。熱帯における大気、海洋の相互作用の結果、エルニーニョのような現象が起きていることがよくわかってきたわけです。
[図29]
TRMMの成果をまとめて示します。まず、世界で初めて降雨レーダを打ち上げて、その成果、威力を実証することができたこと。それから、科学的、実用的な面においても、台風とか、その他の雨の詳しい構造を得ることができましたし、雨の日周変化、月毎の変化、年々変化、さらに長期変化についても情報を得ることができましたし、それから、マイクロ波放射計を中心としてですが、四次元同化といいますか、実際に、現業で気象庁も使いつつあるということです。バイプロダクトとして、土壌の水分の推定なども、東大の沖先生などがやられています。TRMMは実用面でも、非常に役に立つデータを取ってきたわけです。
[図30]
その成果は、次のGPM(Global Precipitation Mission)、全球降水観測衛星に引き継がれようとしています。GPMでは、実利用として、3時間毎の全球の雨を測るという目的があります。気候変動や温暖化と雨の関係とか、気象、天気予報の精度向上とか、水資源の管理とか、農産物の生産予測とか、いろいろな面で、GPMの成果が生かされていくことが期待されます。中心となる衛星も、TRMMでは実現できなかった、2周波のレーダを搭載しますし、また、マイクロ波の放射計を搭載した8機の小型の衛星が打ち上げられ、全球的な大きな計画になっていくと、大きな期待をしているわけです。
実際、私よりもはるかに優秀な若手の世代が、通信総合研究所、NASDAに育っておりますので、是非きっとうまくやってほしいと思っております。ということで、私の講演を終わりにしたいと思います。
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