畚野信義 |
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[図 20]
[図 21]
[図 22]
[図 23]
[図 24]
[図 25]
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[図 27]
[図 28]
[図 29]
[図 30]
[図 31]
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[図 20]
日本から航空機搭載のレーダを持ってゆきまして、NASAの飛行機に載っけて、他にNOAAの飛行機なんかも飛んで地上のレーダも一緒に、ワロップスアイランドで、実験をしたわけであります。
[図 21] [図 22] [図 23]
アメリカの飛行機は非常に大きくて、こんなデカイやつで、中は立って歩ける、アンテナも胴の下にキャビンから隔離されたところに取り付けて、中は酸素吸入をしなくていいと、いうような状態でした。共同実験が始まってすぐにNASAの本部から熱帯降雨観測衛星TRMMの計画を日米でやらないかという話がありまして1985年の11月にそのワークショップをやりました[図9参照]。今日ここに来ておられるElachiさんもそれに出席されたのを覚えておられると思いますが、このワークショップでだいたいTRMMをこういう形にしようというコンセプトが出ました。
[図 24] [図 25]
いくつかそれに行く背景とか、あと最終目標をどうしようとかいろいろあるのですが、時間がないので省略したいと思います。
[図 26]
これは、熱帯観測衛星というのはどういう特徴があるか、何がメリットかという説明で、日米の財政当局からお金をもらうためのシナリオです。当時のコンセプトとしてこういう衛星になる。
[図 27]
降雨レーダはこれであります。一番大きく重いんです。本当に載るかどうかというのは、まだ分からなかった。一番初め日本で私たちが地上のレーダを衛星に載っけるといったときには、正気の沙汰でないということで全く相手にしてもらえない時期もあったのですが、航空機搭載を経て、衛星搭載の検討もかなり進めたこの時期になっても、まだ非常に大きなものです。
[図 28]
こういう形でレーダと他のラジオメータですとか可視赤外のセンサーなんかを組み合わせて観測しようというコンセプトがその当時決まりましたが、これをほとんど最後まであまり変わらずに進めることができたわけです。一部変更がありましたがそれについては最後にお話いたします。
[図 29]
さらに日米の分担として、観測機器はレーダが日本で、他はアメリカ側が持つ、衛星はアメリカ側が作って、ロケットは日本のH-IIで打ち上げようということになりました。
[図 30]
ところで、普通のリモートセンシングの衛星はこういう極軌道が多いですね。太陽に同期した衛星で、いまのランドサットとか日本のADEOSとかは、みなこのタイプです。これは可視赤外の観測器を使っているので同じローカルタイムで、朝10時なら10時に回ってくるという衛星が多いのですが、雨の場合はローカルタイムによる雨の降り方にハッキリした特徴を持つ地域が少なくない。場所によっては朝しか降らないとか夕立ばっかりだとか。それで同じ時間に衛星が回ってきますと、雨の降る時間にばっかり当たると洪水が起こるようなデータが出てきますし、違う時間にいつも回ってくると実際には雨が十分降っているにもかかわらず、砂漠地帯と同じ程度の雨量しかないように見えるわけであります。そういうことがないように一日のあらゆる時間を万遍なく測ることができるためにある程度低傾斜角の衛星にしたわけであります。
[図 31]
現在の熱帯降雨観測衛星TRMMは大体こういうふうなかたちで地球の熱帯地方中心に低緯度をカバーしております。熱帯地方の雨といいますのは地球全体に降る雨の3分の2ぐらいが降っているわけで、さらに先ほど申し上げましたように大気や海洋の駆動源となるようなエネルギーを供給するという意味で、まずここにターゲットを絞ったわけです。
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