The Takeda Award 理事長メッセージ 受賞者 選考理由書 授賞式 武田賞フォーラム
2002
受賞者
講演録
チャールズ・エラチ
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Q&A






チャールズ・エラチ
 
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[図 1]

[図 2]

[図 3]

[図 4]

[図 5]

[図 6]
[図 1]
グッド・モーニング。「オハヨウゴザイマス」というべきでしょうね。この機会に、私たちが合成開口レーダについてこれまで25年間行ってきた仕事についての概略を紹介したいと思います。その前に少し、レーダ技術について、私たちが見慣れている可視光のイメージング技術と比較しながら説明をしたいと思います。

[図 2]
まず、基本原理として、私たちがマイクロ波で用いている信号は、可視光の信号と同じだということです。それは電磁波と呼ばれ、基本的に、可視光ではその波長が短かく、マイクロ波ではその波長がとても長のです。ですから、基本的な原理は完全に同じなのです。たとえば、私たちが使用しているラジオ波の一種は、あなたがラジオやテレビで用いているものと同じなのです。

[図 3]
電磁波は、同じ波長のものも使われるし、同じ電磁波でも、マイクロ波よりは短い波長のもの---赤外光--も使われます。目で見るときにも使われ、医者が体内を見る時に使われるX線でも同様に電磁波が使われています。基本的にみんな同じ電磁波です。違いは、使う波長にあるのです。

[図 4]
レーダに使われるマイクロ波の場合、私たちは基本的に1mmから1mぐらいの波長を使います。可視光の場合は0.5μm程度で、目の感度がある波長領域です。基礎技術の一つである、人工衛星搭載型のカメラ技術では、私たちは、人工衛星の動きに従って視角をスキャンして表面をとらえるシステムを持っており、それを前後にスキャンして像を作ります。また、ここに示すような検出器のアレーを用いる場合もあります。このアレーは地上の一定領域をカバーし、人工衛星の移動に従って画像を生成・構築することができるのです。

[図 5]
レーダの電磁波は、可視光のカメラ技術とは違った考え方で使われます。電磁波のパルスを送るのです。パルスが、ある目標物に当たると、エコーが帰ってきます。谷で叫んだ場合と同じです。谷で叫ぶと、エコー(こだま)が戻ってくるのが聞こえますね。遠い場所にある物からのエコーは遅く戻ってきますし、近い場所にある物からのエコーは早く戻ってきます。私たちがイメージングレーダで使っている基本技術は、これです。

[図 6]
人工衛星やスペースシャトルの場合、パルス電磁波が地表に打ち出され、ここと、ここ(図参照)から戻ってくるエコーを捕らえるのです。地表からのエコーを参照して、私たちは画像を構築するのです。また、周波数が変化するドップラー効果も利用します。こうして、人工衛星の航路に沿った情報を得るのです。これが、レーダ映像を得るための私たちの基本的な考え方です。






 
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