The Takeda Foundation
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MOT事例研究 本の内容

トップ:本の紹介、書評

第1章:液晶ディスプレイの発展と商品化
第2章:薄膜SOI基板技術――実用化へのみちのり
第3章:DNAチップの誕生とブレークスルー
第4章:Linuxはなぜ成功したのか

液晶ディスプレイ、薄膜SOI基板技術、DNAチップ、Linuxの開発から商品化、また成功にいたるまでのプロセスを徹底調査しまとめ、技術開発がなぜ成功したのか、その要因を探る。





第1章 液晶ディスプレイの発展と商品化

秀 節史 (プログラムスペシャリスト)
溝渕裕三 (プログラムオフィサー)

アブストラクト

  米RCA社では、壁掛けテレビの実現を目指して、DSM(Dynamic Scattering Mode)液晶を1964年に発明したが、そのままでは動作寿命が短く実用には耐えられなかった。シャープは液晶添加剤の開発と交流駆動方式により、DSM液晶を使った信頼性の高い液晶ディスプレイを開発し、1973年に世界で初めての液晶電卓を製品化した。
  その後、1969年から1970年にかけて電圧駆動式のTN(Twisted Nematic)液晶が発明されて、電流消費の少ない腕時計用の表示装置としても商品化が始まった。
  さらに、多くの要素技術が開発されて、これらの液晶要素技術を次々と応用した商品化が進められ、RCAの最初の発明から30年かかってようやく液晶テレビが実現した。今日では40型を超えるフルカラーの液晶テレビが実現している。
  本報告書では、液晶の重要な要素技術とこれらを応用した商品の展開について報告する。

液晶ディスプレイの開発