フリードリヒ・シュミット・ブレーク |
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見方によっては、これは特に画期的なアイデアではないのです。何かを作り出したり、家事をこなしたり、会社を経営するすべての人が知っているように、経済的に効率よく物事を運ぶには、インプット側、つまり、コストを考慮する必要があるのです。分かりきっていることですが、お金を使う前に、どれだけのお金があるのかを知る必要があります。ですから、このことは特に新しいことではないのです。しかし、私達の環境法を見ると、また今日の環境政策でさえ、それらは、私達が大気中や河川や海に排出するもの、飽きたら捨ててしまうもの、つまり、経済活動の終わりに出るものから環境が悪影響を受けないようにするには何をするべきかということにしか対処していないことがわかります。
事実、これらについて、経済的な観点から見ると、1970〜1972年に私達は、西欧諸国で素敵に計画されたが、だれもそうは言わなかった経済を議論しなければない。私達は、富みを築くために、すでにあった、そして、今も依然としてある元の経済活動をきれいにする別の経済を構築すると決めました。もちろんこれは、このための非生産的な負担を普及させるために、OECD内での、また他のフォーラムや欧州委員会内の同意を得た法律制定によってのみ実現することができるものでした。ほとんどの場合、私達が法的規制を追加する度に、追加の技術、追加の「お役所仕事」、追加の管理のためのコストが増加しました。私達は環境を保護するために、私達が何をするべきか、あるいは、何をするべきでないかを規制するため、欧州連合に対して、ブリュッセルで1,000件以上もの法律を作成しました。
私の考えでは、そうした法律の90パーセントは、富を増やしたりあるいは保護したりする上ではまったく役に立たないと思われます。事実、そうした法律の多くの部分は、持続可能性に向かう進展を妨害するものです。その理由の1つは、私達の経済の何が悪いのかという根本的な原因に体系的な方法で対処するのではなく、経済活動の最後の部分で発生する問題に1つづつ対処していることにあります。
このような政策は非生産的で、膨大な自然資源とエネルギーを費やす高価な「環境技術」に対する、膨大な投資を必要とします。例えば、石炭を使う火力発電所の環境浄化技術を見てください。このような火力発電所の規模は1970年代初頭から2倍になっていながら、その効率は改善されるどころか、下がっています。
では、アウトプットをうまく制御するために、インプット側を管理するという単純な考え方に戻りましょう。
まず、最初に答えなければならない質問は、より少ない資源のインプットとで、(現在と)同等のアウトプット、同等の豊かさを創り出すことができるかどうかということです。なぜなら、日本人である皆さん、私達、アメリカ人、あるいは「OECDレベル」のライフスタイルを送っている誰もが、その生活をあきらめる覚悟などないからです。私達は今着ているような衣服を着ない生活は考えられません。私達は、今日私達がいるようなホテルや部屋を利用できなくなることに耐えられないでしょう。交通や住宅、セキュリティ、医療保険などをあきらめることはできないのです。
ですから、私達は次のような質問から始めなければなりません。私達は、自分達に必要なものを与えてくれるテクノロジーを創り上げることができるのであろうか?それはおそらく異なる形のテクノロジーであって、しかし、基本的には、その最終ユーザとしての満足を損なうことなく、そしてインプット側の自然資源の消費をぐっと減らすことができるような、そんなテクノロジーを創り上げることができるのであろうか?
その答えは「Yes」です。それは可能なのです。しかし、テクノロジーに対するアプローチは、変える必要があります。すべての場合において、まず、私達は、人々がなにを求めているのか、人々のニーズは何なのかということを定義する必要があります。そして、その後に「ゆりかご」から「墓場まで」を考えて、最小限の空間、材料、のエネルギーで物事を実行することができる「サービス・デリバリー・マシン」を創る必要があるのです。エンジニアは、このような質問をしたり、それに答えたりするように訓練されていません。これは、建築家や歯医者だって同じことです。そして、訓練されている人達にさえ、現在の経済は、利益を失うことなくインプットを最小化するチャンスをめったに与えないのです。この点については後でまた述べたいと思います。
自然からのインプットを少なくするために、多くの努力を必要とせず、そしてコストを大幅に増やすリスクなしに、私達が取ることができる最初の一歩があります。ここで私が述べるのは、「エコリュックサック」についてです。これは、武田賞を受賞する理由となった魔法の言葉の一つです。
この「リュックサック」とは何でしょう?
生産業にインプットされるすべての物質は、その地質学的起源にまでさかのぼる経済的履歴を持っているという理由から、この経済的履歴は、その市場価格に反映されています。同じように、すべての基礎的原料は、「サービス・デリバリー・マシン」を構築するのに使われる以前にエコロジー的履歴があるのです。原料を取り出すには空間が必要だし、表土が取り除かれ、鉱石が採掘され、粉砕され、成分が抽出され、そして何かを抽出するには、輸送する必要があります。土地は掘り返され、水が使われる、等など。。例えば、銅を例に挙げてみると、1トンの銅を得るのに、500トンの復元不可能な地球物質を動かされなければならないのです。つまり、この場合リュックサック値は500/1または500であると言うことができます。アルミニュウムは、85、鉄は4から20以上、そして、プラスチックは4から約10となります。
紙は単位重量ではプラスチックに比べて1.5倍から4倍も安価です。そして、アルミニウムも銅より7倍も安価です。したがって、経済学者達が、キログラムあたりの市場価格だけで自然資源のインプットを計算する場合、その環境負荷価格は通常隠されてしまうのです。このことは、現在の金儲けが自然によって大きく助けられていることを意味します。 |
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