武田計測先端知財団、賞金1億円の賞を創設
 工学知の創造と活用を通じて人類に豊かさと幸福をもたらす業績を顕彰

2001年5月30日
 財団法人 武田計測先端知財団(理事長・武田郁夫、事務所・東京都中央区)はこのほど、新しい賞の創設を発表すると共に、財団設立の目的や事業計画をあきらかにしました。
 新設の武田賞は、情報・電子系、生命系、環境系の三つの応用分野において、工学知の創造と活用を通じて人類に豊かさと幸福をもたらす業績をあげた方に贈られます。賞金はそれぞれの分野ごとに1億円です。第一回目の受賞者の発表は本年秋、授賞式は本年末に行われる予定です。この武田賞に加え、助成事業として「武田研究奨励賞」と「武田奨学賞」も同時に創設されました。なお前記三分野は、応用分野、すなわち生活者にとっての価値が実現した分野であって、用いられた技術の分野ではありません。
 武田賞は顕彰の対象となる業績に、一般の生活者にとっての価値の実現と、計測技術に関わっていることを求めます。専門家だけが評価する純粋に学問的な成果は、直接には武田賞の対象ではありません。ただしこの条件は、基礎的・原理的な知の探求を排除するものではありません。新たな知の創造と活用こそ、武田計測先端知財団が顕彰・支援する活動の本質です。ただしその活動は、専門分野内部での評価を超えた、一般の生活者にとっての新たな価値、この実現を目指すものであって欲しいということです。
 生活者への価値の実現を目指す「知」を本財団は「工学知」とし、工学知の創造と活用を通じて知的フロンティアに挑戦し、人類に豊かさと幸福をもたらそうとする活動をテクノアントレプレナーシップ(techno-entrepreneurship)と名付けています。このテクノアントレプレナーシップの顕彰・支援が、本財団の事業の中核です。
 新しい計測技術の開発と新しい工学知の獲得は、互いに相補う関係にある、この認識が本財団設立の背景にあります。そしてこの関係のなかから生み出される先端的な工学知を「計測先端知」と呼んでいます。たとえば環境問題の本質の解明には、先端的な計測技術が不可欠です。生命・医療分野などでも、計測技術や情報技術の果たす役割が大きくなっています。さらに新しい計測機器が実用技術の開発を導くことも、たとえば情報・電子分野ではごく普通です。このような認識から、広い意味で計測技術に関わっていることを、顕彰・支援の条件としています。
   財団法人 武田計測先端知財団は武田郁夫理事長の提供する私財を基金として本年四月に設立されました。上にご紹介した顕彰・助成事業のほか、計測先端知に関する調査事業、普及事業なども展開してまいります。
 
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