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武田計測先端知財団、第一回武田研究奨励賞の研究計画募集を開始

テクノアントレプレナーシップに富む研究計画に、最高で年1千万円を助成

2001年6月20日

財団法人 武田計測先端知財団(理事長・武田郁夫、事務所・東京都中央区)は、このほど2001年度第一回武田研究奨励賞(Takeda Techno-Entrepreneurship Award)のワークショップのセッション名を発表、研究計画の募集を開始しました。 本年度のセッション名は以下の通り、情報・電子系、生命系、環境系の各応用分野よりそれぞれ2テーマを選び、決定しました。研究計画の応募は、財団のホームページ(http://www.takeda-foundation.jp)で7月31日まで行っています。

(1) 超低消費電力デバイス、回路、アーキテクチャおよびシステム

担当座長:石原 宏  教授(東京工業大学フロンティア創造共同研究センター)
:岡部 洋一 教授(東京大学先端科学技術研究センター)
CMOSはあらゆる面から低消費電力化が追求されており、今後とも大きな役割を果たすものと期待されます。また、近年クーロンブロッケード現象を利用した単一電子デバイスや超伝導状態における単一磁束量子を利用したデバイスなどが登場し、これらを用いた新しい回路やアーキテクチャ、システムの可能性が広がっています。さらに、生体を模倣したシステムなど、夢は日々ふくらんでいます。本セッションでは、目標とする開発期間を10年以内に限定し、こうした技術の芽を製品として結実させるための研究計画を対象とします。

(2) 機能と性能の柔軟な拡張性をもったハードウェア

担当座長:浅田 邦博  教授(東京大学大規模集積システム設計教育研究センター)
半導体集積回路に、微細化に勝る付加価値をつけられないでしょうか。
使用目的に柔軟に対応するもの、使用環境や製造のばらつき、故障に対してタフなもの、自己学習能力、自己修復能力があるもの、スケーラビリティーを持ったもの、またそういった回路を設計するための斬新なアイデアなど、本セッションでは、集積回路の分野に革新をもたらす研究計画を対象とします。

(3) 極限環境生物

担当座長:今中 忠行 教授(京都大学 大学院工学研究科 合成・生物化学専攻)
高温、低温、酸性、アルカリ性、高塩濃度、高圧力、乾燥、などの極限環境で生育する生物には、特殊な環境適応戦略があります。この適応戦略の秘密を明らかにすれば、その知見は、産業への応用がおおいに期待されます。本セッションでは、生物の多様な環境適応戦略とその応用についての研究計画を対象とします。

(4) ティッシュ・エンジニアリングを指向したシステム

担当座長:田畑 泰彦 教授(京都大学 再生医科学研究所 生体組織工学研究部門生体材料学分野)
生命の基本現象の一つ、「再生」を人工的に制御する、これがTissue Engineering(組織工学)の本質です。Tissue Engineeringを再生医療に結びつけるためには、細胞(幹細胞も含む)、細胞増殖因子(それに関連した遺伝子も含む)、あるいは細胞の足場となる細胞外マトリクスの構成物質などの機能の解明、制御が不可欠です。また、ドラッグデリバリーシステム(DDS)技術も重要な要素と言えます。本セッションは、Tissue Engineeringを指向したシステムに関する研究計画を対象とします。

(5) 環境リスク評価と管理

座長:内海 英雄 教授 (九州大学大学院 薬学研究院 機能分子解析学専攻)
地球上の生物は、病原生物やウイルス、重金属や有害化学物質、紫外線や放射線など の様々な環境リスクに晒されており、その生存が危ぶまれています。本セッションでは、これら有害要因を的確に計測・評価し、将来影響を予測し、制御・低減・マネージメントするための研究計画を対象とします。

(6) 新しい環境化学計測技術

座長:原口 紘き 教授 (名古屋大学大学院 工学研究科 応用化学専攻)
我々人類は地球生態系を保全しつつ、持続可能な経済発展を維持する重い命題を負っています。最近の地球環境問題は、化学物質による環境負荷、人体影響として表に現れる場合が多いため、地球環境、生活環境、人体等における、化学物質の広域的かつ長期的モニタリングを可能とする環境診断学の構築が強く望まれています。本セッションでは、近年新しい発展を見せているマイクロチップテクノロジー、in-situ計測技術、スペシエーション化学(化学形態別分析)、簡易目視計測技術などを応用した、環境診断学に資する化学計測技術の研究計画を対象とします。

武田研究奨励賞は、実用化を念頭に置いた研究計画および、新規事業創出につながる研究計画の中から、生活者への価値の創造に貢献が期待できるものに贈られ、賞金として年間最高1000万円が、継続評価により最長で3年間給付されます。 武田研究奨励賞の選考にあたって、ネット上でコンペ形式のワークショップが、8月中旬から10月中旬にかけて開催され、応募者にはこのワークショップで、自分の研究計画について、ポスターや座長を中心としたディスカッションを通じてアピールする機会が与えられます。受賞者は、ワークショップでの議論と、研究計画の最終版をもとに、座長および選考委員会により11月初旬に選考され、理事会の承認を経て決定されます。 Copyright(C)2001, The Takeda Foundation. All rights reserved.

<プレスお問い合わせ先>

池田 純子
財団法人 武田計測先端知財団
〒104-6591 東京都中央区明石町8-1 聖路加タワー32F 私書箱33号
TEL:03-3549-2781 FAX:03-3549-2787
E-mail: ike-jun@takeda-foundation.jp
URL: www.takeda-foundation.jp