年度計画・報告 Annual Report
一般財団法人 武田計測先端知財団 平成28年度事業計画
(平成28年4月1日から平成29年3月31日まで)
1. 研究開発者顕彰事業
継続事業1 研究開発者顕彰
継続事業3調査事業の若い研究者の調査と連携して事業を行い、最優秀賞の賞金は研究開発者顕彰事業として授与する。
2. 助成事業
継続事業2 奨学金の給付
継続事業3の若い研究者の調査と連携して事業を行い、優秀賞の賞金は助成事業の奨学金として給付する。
3. 調査事業
継続事業3先端科学技術等の調査事業
3.1 アントレプレナーの調査
ヤング武田賞
現実の課題を直視しそれを解決しようとする活動と、人々の役に立つ何かを生み出そうとする若い研究者の調査を行う。
(1) 名称
The Takeda Young Entrepreneurship Award
(ヤング武田賞)
(2) 目的
生活者に豊かさをもたらす起業家精神を持つ若手人材の発掘と起業家精神の涵養を目的とする。特に日本を含むアジアで自国又は他国の基本的なニーズを解決しようとする若手人材の発掘と育成・顕彰を目的とする。
(3) 募集方法
自薦(場合によっては他薦)とし、これまでの財団のベースであるネットワークの他、国際政策対話で作ったネットワークなどを通して応募を呼びかける。
(4) 調査選考概要
解決しようとするニーズを設定し、それに対する解決方法、有効性と社会に対するインパクトについて書いた論文(A4 5枚以内の英文)を調査選考対象とする。そのニーズを解決することで利益を受ける人の証言(英文)を論文のサポート資料として添付することを応募の条件とする。
調査と選考は財団POと財団が委嘱する選考委員会で行う。1次選考(必要によっては2次選考)を行い、ネットワークを使った本選会を行なって受賞者を選考する。
(5) 賞金
The Best Entrepreneur Award (最優秀賞)1件 100万円(継続事業1の研究開発者顕彰事業として賞金を授与する。)
The Entrepreneur Award(優秀賞) 5件 20万円(継続事業2の奨学金として給付する。)
(6) 対象者
日本を含むアジアなどの大学生、大学院生、ポストドクなど。国籍は問わない。但し原則として40歳未満。
(7) 募集スケジュール
募集準備を4月から開始する。
(8) 授賞式とワークショップ
受賞者を招待してワークショップと表彰式を開催する。
ワークショップは、武田シンポジウム開催日の午前中に同じ会場で行う。受賞者による提案プロジェクトの発表と質疑を行い、受賞プロジェクトの認知度を高めると共に、受賞者間やワークショップ聴講者とのネットワークの構築を図る。
表彰式は、武田シンポジウムの冒頭に行い、広く一般に紹介する。
3.2 先端科学技術の調査
科学技術の国際連携戦略調査事業や顕彰・助成事業に役立つ調査テーマがあれば、それの調査を実施する。具体的なテーマは、上記事業の進展にあわせて決定し実施する。
3.3 科学技術の国際連携戦略調査
これまで3年間ヤング武田賞の募集と選考を行ってきた。その中で受賞には至らないが今後の努力次第では大きな成果を生み出すプロジェクトになるポテンシャルが大きい提案も多く見受けられた。特に中央アジアなどの国々では、アントレプレナーシップの重要さが良く理解できていないと感じられる提案があった。これらの経験を生かして、科学技術振興機構が実施している「日本・アジア青少年サイエンス交流事業」(以下「さくらサイエンスプラン」)に応募し、ヤング武田賞に応募する人や今後の可能性が期待できる若手のアントレプレナーを中央アジアなどの国から招待し、日本の研究機関やアントレプレナーを養成している機関で短期の交流を行う。
また、アジアに関心を持つ人を対象とした「アジアについての勉強会」を定期的に開催しアジアに関する知識向上をはかる。
3.4 TTM(Takeda Tea Meeting)
財団スタッフや財団関係者の勉強会として、開催する。財団の活動方針や、武田シンポジウムなど財団行事の企画についてはこのミーティングのテーマとして討論する。また、アジアについての勉強会などの外部講師を依頼した勉強会も計画し様々な分野の知見を学習する。TTMで実施したテーマは事業報告書に記載して公開し、資料については要求があれば著作権侵害にならない範囲で公開する。
3.5 未病社会の診断技術研究会
外部の有識者による上記研究会の活動を支援する。
3.6 委託調査
これまで蓄積した財団スタッフの調査能力を生かし、さらに磨くために調査の依頼があった場合には積極的に受託する。
4. 普及事業1
継続事業4 武田シンポジム等のシンポジウムや講演会の企画・実施・内容の公開事業
(1) 武田シンポジウム
東京大学武田先端知ビル武田ホールで実施する。財団スタッフで現在の世の中の大きな流れについて議論し、取り上げるべきテーマを決め、そのテーマにふさわしい講師を人選する。シンポジウムでの講師は3人程度とし、講演と総合質疑を行う。財団理念に基づくインパクトのあるメッセージ発信の場とする。
(2) 武田シンポジウムの内容を元にした書籍の出版
武田シンポジウム2016の内容を基にした本を出版する。財団メッセージの発信であり、良く売れ、読んでいただける書名、内容、装丁にする。
5. 普及事業2
継続事業5 サイエンスカフェの企画・開催・内容の公開事業
(1) カフェ・デ・サイエンスの実施
日頃接点のない科学者との対話を通して、物事を科学的に考えようというカフェ・デ・サイエンスを開催する。物事を科学的に考えてみることと、科学が日々の生活にどのような意味を持つのかを考える場とする。
テーマを決め、そのテーマに相応しい専門家にゲストを依頼する。ゲストも参加者も、専門用語は使わない、パワーポイントやOHPを使わない、一方的に専門的なことをながながと説明しない、という約束を設けて、モデレータ‐が参加者の質疑を促しながら、自然な討論の流れをつくっていく。
(2) ウィークエンド・カフェ・デ・サイエンスの開催支援
科学博物館が行っている「サイエンスコミュニケータ養成講座」の修了生が中心となってウィークエンド・カフェ・デ・サイエンスを行いたいという動きがあり、平成21年度から財団としては共催の形で支援してきた。平成28年度においても、支援を継続する。ホームページへの掲載、打合せ場所の提供、必要な助言を行うなどの支援を行い、若い世代への働きかけを強化していく。
また、任意団体として運営方法や会計処理の体制整備を行い、ウィークエンド・カフェ・デ・サイエンスとして自立していけるような支援を行う。
6. 補助事業
3.3 科学技術の国際連携戦略調査で述べた「さくらサイエンスプラン」に応募し、若手の交流事業をおこなう。8月頃の実施を計画しているが、応募やJSTの選考時期によって変わる可能性はある。
7. 広報など
財団ホームページ更新
一般財団法人平成27年度事業報告書と決算書、平成28年度事業計画書と予算書をホームページに掲載して公開する。また、武田シンポジウムやカフェ・デ・サイエンスの参加者募集、ヤング武田賞の選考結果、カフェ・デ・サイエンスの内容などを掲載したホームページの更新を随時行なう。
休止していた英語版の更新も再開する。
8. 公益目的支出計画
一般財団法人平成27年度の決算に基づいて公益目的支出計画の実施状況の報告を行う。また、平成28年度の公益目的支出計画を実現するために継続事業1から5を実施する。
9. 総務関係
業務委託契約
和田公認会計士とは、会計処理帳票の作成及び決算書類の作成とそのためのサポートの業務を委託する業務委託契約を継続して締結する。